仏教用語『融通』の意味
『融通』(ゆうずう)
もともとは異なった別々のものが融(と)け合って障害がないことを意味していた。
現在では臨機応変に事を処理することを意味する。
仏教用語『融通』と時事をまじえた法雅のひとりごと
「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。
今日は39県の緊急事態宣言解除から最初の土曜日、どのようにお過ごしでしょうか。
宣言が解除されたからといって、すべてが元通りになったわけではありません。
むしろ、これからが本番だと思います。新型コロナウイルスと共生していく社会の始まりです。
三密を避ける。マスクを着用する。手洗い・除菌をするなど、コロナウイルスが存在する前提で生活をする、これからが本番だと思います。
そこで試されるのが、その変化に対応できるかどうかです。
民間会社や個人は多少の差はありますが、変わろうと努力しているのがみえます。
法雅が一番心配しているのは役所が変化できるのかということです。
昔から役所は融通が利かないといわれてきました。
生活のなかに生きる仏教用語『融通』
そこで、生活のなかに生きる仏教用語。
今回は『融通』です。
「融通」という言葉は仏教からきています。
もともとは異なった別々のものが融(と)け合って障害がないことを意味していました。
現在では臨機応変に事を処理することを意味します。
おそらく、とけ合って障害がないことが、どんな時でも変化して障害なく対応できることに意味がかわったのだと思います。
昨日のニュースで「抗体検査」の結果について報道がありました。
東京は0.6%。東北地方は0.4%との結果です。
ただし、これは東京で500人、東北で500人という抗体検査にしては規模が小さい結果であり、そのまま鵜呑みにできないとの意見もあります。
そこで、国は6月から1万人規模で抗体検査を実施することを表明しました。
いつもならこんな報道も聞き流しますが、今回はさすがに対応が遅すぎると思いました。
ほかの国では規模の大きい抗体検査をずいぶん早くからおこなっています。
たとえばニューヨークでは4月20日から3,000人規模の初回の抗体検査をおこない、2回目は7,500人規模。5月上旬までに3回目の15,000人規模の検査報告をしています。
ドイツでは最初に感染者が多数発生した町で4月中旬に抗体検査をしています。
イタリアでも4月上旬に数千人規模の抗体検査をしています。
このようにとても対応が早いのです。
日本は欧米に比べて感染者の増加が遅かったことを考慮したとしても、なぜ2回目の抗体検査が6月からなんでしょうか。
来週からとかできないのでしょうか。
日本の役所は融通が利くのか?
今はウイルスと戦う非常事態の時です。
今こそ融通を利かせて、役所も非常時の対応をするよう求めます。
コロナ支援の書類も煩雑だと聞きます。
コロナ対策の遅れは命の危機をまねき、経済対策の遅れも命の危機をまねきます。
どちらも国民の命を左右すると心得て、平時とはちがう融通の利いた対応をしていただきたい。
1回目の抗体検査の結果からわかることは、まだまだ感染は序盤だということです。
第1波が収束しつつある今、次の第2波にそなえて準備をしっかりしていきたいと思います。