仏教用語『出世』の意味
『出世』(しゅっせ)
仏が衆生を救うためにこの世に出現すること。
または世俗を捨てて仏道に入ることをいう。禅宗では、高位の寺に転任することなどをいう。
現在ではまわりより昇進が早かったり、世の中で立派な地位・身分となることをいう。
仏教用語『出世』と時事をまじえた法雅のひとりごと
「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。
今年3月29日に新型コロナウイルスにより逝去された志村けんさん。
早いものでそろそろ百箇日忌が近づいています。
つい先日フジテレビ系列で3時間の特別番組が放送されたので録画して見ました。
『ドリフ大爆笑』時代からのコントの数々に、ときには涙を流して笑い楽しいひとときをすごしました。
同時に亡くなってしまった志村けんさんを悼む気持ちと感謝の気持ちがわき上がりました。
コント王として出世した志村けんさん
法雅が物心ついた時、すでに志村けんさんはドリフの主役でした。
東村山音頭あたりから記憶しています。
ドリフの事情を知らない子供の法雅は、志村けんさんの一挙手一投足を見ては笑っていたものです。
当時、けんさんのものまねをすれば学校で人気者になる時代でもありました。
のちに志村けんさんが一番後輩で、しかもいかりや長介さんが師匠だと知ると、師匠や先輩たちの頭をパチンパチン叩いていたことに驚きましたが、きっとこれも芸事。
日ごろの礼節がしっかりしているからこそできるものだと理解しました。
また当時のコントはいわゆるお色気もあり、今では考えられないくらいおおらかな良い時代だったと言えます。
やがて『ドリフ大爆笑』が終わり、『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』、『だいじょうぶだぁ』まで法雅は志村けんさんの番組を見ました。
亡くなるまでコント番組を作り続けたけんさんは生粋のコント職人であり、コントのためなら何をやっても許される最後の人といえましょう。
まさに志村けんさんはコントで出世をした稀代のコント王だと法雅は思います。
さて出世という言葉はよく聞きますが、じつは仏教由来の言葉だということはあまり知られていません。
生活のなかに生きる仏教用語『出世』
そこで本日の生活のなかに生きる仏教用語。
今回は『出世』です。
「出世」という言葉は仏教からきています。
もとは仏様が人々を救うためにこの世に出現されることをいいました。
そこから意味が少し広がり世の中から離れて仏門に入ることをいったり、禅宗では格の高い寺院に転任することなどを「出世」といいます。
それが現在ではまわりの人より昇進が早かったり、世の中で立派な地位・身分となることを「出世」というようになりました。
本来は仏様がこの世に出られる意味が、今では地位の高い人のことをさすようになりました。
いずれにしても「世に出た」ことには変わりませんね。
志村けんさんへの「ありがとう」
志村けんさんが亡くなってから不思議な現象がおきています。
今まで数々の有名人が亡くなり、この現象は大なり小なり起きていましたが、志村けんさんへの現象はとても大きいものです。
なにかといえば『感謝』です。
志村けんさんへの感謝のメッセージが故郷の東村山市では2万を超え(5月18日現在)、日本のみならず台湾の蔡総統も感謝のツイートを投稿しました。
これはきっと多くの人たちが志村けんさんのコントを見て笑って元気をもらったことに対する感謝ではないでしょうか。
そしてもうひとつは、けんさんの人望ではないかと思います。
人望だけは欲しくても手に入らないもの。
だから志村けんさんは稀代の人物のひとりだと法雅は思います。
法雅もたくさんの元気をもらいました。
本当にありがとうございました。