仏教用語『世間』の意味
『世間』(せけん)
私たち人間のような、いろいろな感情や心をもつ者が生活する、迷いや煩悩(ぼんのう)のある世界を仏教では「世間」と言う。
反対に迷いや煩悩(ぼんのう)から離れた仏の世界を「出世間(しゅっせけん)」という。
今では社会や世の中の人々という意味で使われている。
仏教用語『世間』と時事をまじえた法雅のひとりごと
「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。
今朝の情報番組で日本リサーチセンターがアンケートした「緊急事態宣言で生活に変化がありましたか?」の結果が紹介されました。
1位 家族と話す時間が増えた(25.8%)
2位 部屋を掃除する回数が増えた(24.8%)
3位 料理を多くするようになった(24.3%)
4位 政治に対する関心が高まった(24.0%)
5位 睡眠時間が増えた(22.1%)
6位 趣味の時間が増えた(21.5%)
※変化なし(29.3%)を除く/複数回答
「日本リサーチセンター」
調査機関:4月28日~今月7日
対象:15~79歳の男女1355人
この結果、皆さんはどのように感じますでしょうか。
法雅は純粋に思いました。
「コロナをきっかけに家庭を中心とした当たり前の生活を取り戻しつつあるな」と。
これはコロナ前からつねにステイホームしている法雅だから思うことかもしれません。
法雅の家庭では、つねに家族と接しているため話す時間は多く、妻は毎日3食用意をし、政治に対する関心も高く、睡眠時間もしっかり確保できています。
そういう生活が当たり前だったからこそ、
世間は「会社中心」だからあまり家庭の時間がとれてなさそうだとコロナ前から感じていました。
朝起きて、通勤電車に揺られて会社に出社。会社が終わるとまた通勤電車に揺られて帰宅。あとはご飯をたべて風呂に入って、明日の仕事にそなえるために寝る。
こういう生活を世間は長年続けてきました。
それが今回の緊急事態宣言で世間の生活が一変したのです。
生活のなかに生きる仏教用語『世間』
そこで生活のなかに生きる仏教用語。
今回は『世間』です。
「世間」という言葉は仏教からきています。
私たち人間のような、いろいろな感情や心をもつ者が生活する、迷いや煩悩(ぼんのう)のある世界を仏教では「世間」と言います。
反対に迷いや煩悩(ぼんのう)から離れた仏の世界を「出世間(しゅっせけん)」といいます。
もともと仏教用語だった「世間」が、今ではすっかり世間になじんで、社会や世の中の人々という意味で使われています。
世間は、まさに諸行無常
仏教の教えでは、世間は移り変わるものと定まっています。
まさに世の中は「諸行無常」です。
会社中心の世の中がずっとつづくか。
平和な世の中がつづくか。
民主主義がつづくか。
資本主義がつづくか。
これらはすべて戦後の激動期に手にしたものであり、70年ほどの年月が経過しました。
そろそろ次の時代へ移り変わる時期が近づいているのかもしれません。
変わるためにはきっかけが必要です。
それは今回の新型コロナウイルス感染かもしれませんし、別のことかも知れません。
いずれにしても「世間は移り変わる」と心得て「冷静に」生活していくことが大事だと思います。(合掌)