仏教用語『大袈裟』の意味
『大袈裟』(おおげさ)
必要以上に大きく派手な袈裟をかけてを人々を驚かしたことから、ものごとを実際より誇張して言ったりすることを言う。
仏教用語『大袈裟』と時事をまじえた法雅のひとりごと
「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。
つい先日、女子テニスの大坂なおみ選手が女子アスリートとして史上最高額の年収だったと報道されました。
その額およそ40億円!
さすがに驚きました。
そのうちおよそ37億円がスポンサー収入とのことです。
でも、これで驚いてはいけません。
今年もっとも年収が高かったアスリートは男子テニスのロジャー・フェデラー選手。
その額およそ115億円でした。
そのうち出場料やスポンサー収入が108億円と、レジェンドといわれるフェデラーともなるとその額は破格です。
でも、自分の生涯をテニスにささげ努力し、世界一の栄冠をつかんだことを考えれば、それくらいの評価をされても良いと思います。
ですが一方、高い年収をもらえないマイナーなスポーツとの格差はどんどん広がってるように感じます。
スポーツという同じ分野なのに、マイナーなスポーツでは世界一をとっても数千万円。
一方メジャーなスポーツだと数十億円。
とてつもない格差があります。
でも、こういうスポーツ界の年収格差はある意味、いまの時代の映し鏡ともいえます。
ある報告によると、世界の超富裕層26人で、世界の富の半分を持っているとあります。
この話しを聞いた人のなかで「そんな馬鹿な」「そんな大袈裟な」と言う人もいることでしょう。
驚きの話しですが、これが事実です。
生活のなかに生きる仏教用語『大袈裟』
話しのつづきの前に、今日の生活のなかに生きる仏教のことば。
今回は『大袈裟』です。
「大袈裟」という言葉は仏教からきています。
必要以上に大きく派手な袈裟をかけてを人々を驚かしたことから、ものごとを実際より誇張して言ったりすることを言います。
最近では「話しを盛る」と言いますね。
こういう大袈裟な話しは、ほとんどが事実をオーバーに脚色して言う話しであり、そのまま信じることは危険です。
きちんとした根拠に基づいた話しをそのまま聞く姿勢が大事だと思います。
格差問題は、大袈裟な話しではない
では、先ほどの話しに戻ります。
この話しはAFP通信が昨年1月21日に伝えた報道の内容です。
AFP通信社はフランスに拠点をおく世界三大通信社のひとつといわれる通信社です。
1835年に設立した「世界最古の報道機関」とも言われています。
内容は以下の通りです。
- 国際NGO「オックスファム」が発表した内容によると、世界で最も裕福な26人が、世界人口のうち所得の低い半数に当たる38億人の総資産と同額の富を握っていると報告。
- たとえば、世界一の富豪である米アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏の資産は昨年、1120億ドル(約12兆2800億円)に増えた。このように格差は年々広がっていると指摘。
- 各国政府が保健医療や教育といった公共サービスに割く予算を削減する一方で、富裕層に対する税制優遇を続け、経済格差をさらに深刻化させていると報告書は警告した。
参照「AFP通信社」https://www.afpbb.com/articles/-/3207339?pid=20898258
このように世界における貧富の格差は毎年広がっていることを伝えています。
はじめに書いたアスリートの年収の格差ととても似ていると法雅は思いますが、皆さんはどのように感じますか?
格差問題はこれからとても大事な問題のひとつになると思います。