仏教用語『滅相』熱海の土石流の原因が盛り土だとすれば、それは滅相もない

仏教用語『滅相』の意味

『滅相』

有為四相(ういしそう)の一つ。
この世はさまざまな因縁によって生じている。
具体的には因縁によって生じ(生相)、いったんは存続し(住相)、やがて変化し(異相)、最後に消滅する(滅相)。
滅相は、ものごとが消滅するありさまをいう。

現在では、とんでもない。有り得べきことでない意味でつかわれている。

仏教用語『滅相』と時事をまじえた法雅のひとりごと

毎年おきるようになった梅雨末期の豪雨災害

「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。

近年、梅雨の末期になると、必ずといっていいほど大きな災害がおきるようになりました。
ここ10年の「梅雨末期」の豪雨災害をまとめてみました。

  • 平成24年7月九州北部豪雨(死者・行方不明者33人)
  • 平成29年7月九州北部豪雨(死者40人、行方不明2人)
  • 平成30年7月豪雨=西日本豪雨(死者224人、行方不明者8人)
  • 令和元年6月西日本大雨(死者2名)この年は秋の台風被害が甚大でした
  • 令和2年7月豪雨(死者84名、行方不明2名)

いずれも豪雨の原因として近年使われはじめた「線状降水帯」が発生し、長い時間大雨が降り、小さな川(中小河川)の氾濫だけではなく、大きな一級河川が氾濫し大きな被害となっています。

被災された方々に心よりお見舞い申し上げます

「人災」と指摘されはじめた熱海の土石流災害

そして今年・令和3年も、梅雨末期の豪雨災害があちこちで起きています。

とくに静岡県熱海市でおきた土石流災害は、あらためて土石流の恐ろしさを痛感させられました。

土石流は「山津波」ともいいますが、たしかに津波のような光景でした。

大雨によって、山から大量な土砂が流れくだり、一瞬で100軒以上の家を飲み込みました。
そして亡くなった方もいらっしゃいます。

土石流災害で犠牲になられた方に哀悼の意を表します

ところが今回の土石流災害は、盛り土が原因とする「人災」の線が強くなってきています。

つまり、土石流がおきた山の上部で大量の盛り土が堆積しており、肝心な排水施策がしてなかったのではないか。
実際、今回の土石流で盛り土のほとんどが流れたとの静岡県の発表もありました。

まだまだ原因を探っている段階ですが、もし自然災害ではなく人災だとしたら、それはあってはならないことです。

本当に滅相もないことだと思います。

ところで、滅相という言葉、もとは仏教由来の言葉なのです。

生活のなかに生きる仏教用語『滅相』

そこで本日の生活のなかに生きる仏教用語。

今回は『滅相』です。
「滅相」という言葉は仏教からきています。
有為四相(ういしそう)の一つで、滅相は、ものごとが消滅するありさまをいいます。

現在では、とんでもない。有り得べきことでない意味でつかわれています。

有為四相(ういしそう)とは、「有為の4つの相」。
この世はさまざまな因縁によって生じたり滅したりしており、おもに4つの姿があるということです。

具体的には因縁によって生じ(生相)、いったんは存続し(住相)、やがて変化し(異相)、最後に消滅する(滅相)。
今回の「滅相」は、ものごとが消滅するありさまをいうのです。

「有為(うい)」とは聞き慣れない言葉ですが、『いろは歌』のなかの「有為の奥山」は聞いたことがあると思います。
これは、無常な世の中を脱することの難しさを奥山(深い山)にたとえているように、仏教ではものごとは常に変化することを説いています。

熱海の土石流の原因が盛り土だとすれば、それは滅相もない

人は誰でも、やがて死を迎えることは頭でわかっています。
また新しく建てた家は数十年もすれば古くなって最後は無くなることも頭でわかっています。

つまり有為四相のなかの滅相という仏教の思想が理解できているのです。

頭でわかっていても、自然災害で大事な人が亡くなる。また自分の家が流されてしまうのは同じ滅相でも受け入れられないのは当然です。

つまり、こういう姿で亡くなることを誰も望んでいないからです。

ましてや今回の熱海の土石流の原因が、盛り土という人災だとすれば、どのように気持ちを整理すればよいのかまったく想像もつきません。(合掌)

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