仏教用語『光明』SDGsは世界平和への光明となるか

仏教用語『光明』の意味

『光明』

仏や菩薩の心身から放つ光。智慧や慈悲を象徴する。
また。この光には私たちの迷いを破る力があるとされる。

現在では「一筋の光明」のように、明るく輝く光、明るい将来の意味としてつかわれる。

仏教用語『光明』と時事をまじえた法雅のひとりごと

最近よく聞く『SDGs』という言葉

「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。

去年あたりからでしょうか。『SDGs(エス・ディー・ジーズ)』という言葉をテレビで聞くようになりました。
また、政財界の人たちが着ているスーツの襟に、カラフルな円形のバッジを目にすることも多くなりました。

官民あげての一大キャンペーンの様相です。

今までSDGsのことを知らなかった法雅は「いったい何が起きているんだ」と気になり、SDGsのことを調べてみました。
おもに『外務省』のホームページを参考にしています。

SDGsは「持続可能な開発目標」のこと

SDGsは持続可能な開発目標のことで、「Sustainable(持続可能な)Development(開発)Goals(複数の目標)」の略語です。

SDGsは、2015年9月の国連サミットで、加盟国の全会一致で採択された「2030年までに持続可能でより良い世界を目指す」ための国際目標です。
17のゴール(目標)と169のターゲット(指標)から構成され、地球上のすべての人がその恩恵をうけることを目的とするため、発展途上国も先進国も一丸となってとりくむ行動計画です。

では、SDGsが掲げる17の目標とはなにか、下記に掲載します。

  1. [貧困]あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる
  2. [飢餓]飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する
  3. [保健]あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
  4. [教育]すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
  5. [ジェンダー]ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメント(権限委譲)を行う
  6. [水・衛生]すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
  7. [エネルギー]すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
  8. [経済成長と雇用]包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
  9. [インフラ、産業化、イノベーション]強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
  10. [不平等]国内及び各国家間の不平等を是正する
  11. [持続可能な都市]包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
  12. [持続可能な消費と生産]持続可能な消費生産形態を確保する
  13. [気候変動]気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
  14. [海洋資源]持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  15. [陸上資源]陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
  16. [平和]持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
  17. [実施手段]持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

以上が、2030年までに達成すべき持続可能な開発目標です。

「包摂的」という言葉が目立ちますが、「ある事柄を、一定の範囲の中に包み込むこと」の意味です。
例えが悪いかもしれませんが、高めでも低めでもいいのでストライクゾーンの中に入れることを目標にすることです。

それぞれの目標(ゴール)には、およそ10の具体的な指標(ターゲット)が決められ、SDGsは呼びかけというより、具体的な実践目標となっているのが特徴的です。

このSDGsの取り組みにより、世界にとって明るい未来への光明を見いだすことができるのか。

法雅は、とても注目しています。

ところで、光明という言葉、もとは仏教由来の言葉なのです。

生活のなかに生きる仏教用語『光明』

そこで本日の生活のなかに生きる仏教用語。

今回は『光明』です。「光明」という言葉は仏教からきています。
仏や菩薩の心身から放つ光のことで、智慧や慈悲を象徴しています。
また、この光には私たちの迷いを破る力があるとされます。

現在では「一筋の光明」のように、明るく輝く光、明るい将来の意味としてつかわれています。

仏教用語でつかう光明は、仏様の体から放つ光のことで、よく仏像とか後光が差している装飾のことをご存じの方も多いと思います。
その光の正体は仏様の尊い智慧と、深い慈悲です。
すべての人がもつ悩みや苦しみを、仏様はその智慧と慈悲で照らして包み込むことを光で表現しているのです。

SDGsは世界平和への光明となるか

今回はSDGsのことを紹介しました。
国連加盟国が全会一致で採択した「持続可能な開発目標」であるSDGs。その分野は、貧困や飢餓問題をはじめ、エネルギー、気候変動、ジェンダー、不平等など多岐にわたっています。
しかも2030年までに達成するとしており、なかなかそのハードルは高いと思います。

コロナ禍により、余計にハードルが高くなったと思われます。

しかし、世界各国が協調してこれらの問題に取り組もうとしていることは、とても大事です。
長い年月がかかっても、一歩一歩と進んでいる間は、世界平和への光明になっていると思います。

たしかに最近は、米中の対立やミャンマー問題など、各所で不安や危機が増しています。
しかし、国連などを通じて世界がつながっている以上、過去のような大戦が起きにくい世界になっていると法雅は信じます。(合掌)

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