仏教用語『行儀』「記者会見ボイコット問題」か?「選手への不作法問題」か?

仏教用語『行儀』の意味

『行儀』

修行で守るべきこと(戒律)、あるいは修行者の生活作法や儀式方式をあらわす言葉。
釈尊入滅後、修行者は行儀を守ることが大事だと厳しく定められていた。

現在は「行儀がよい」などと、立ち居ふるまいの作法の意味となっている。

仏教用語『行儀』と時事をまじえた法雅のひとりごと

波紋をひろげた大坂なおみ選手の発言

「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。

女子プロテニス選手の大坂なおみ選手をテレビで最初にみたのは、今から5年ほど前でしょうか。

その時の大坂選手は、少しふくよかな体型ながら打球が速く、そして感情の起伏が激しい選手。これが第一印象でした。
そんな大坂選手がまさか数年で、世界の女子テニスを牽引する立場になるとは思ってもみませんでした。

大坂なおみ選手は、今やグランドスラム4勝、今年の年収は女子アスリートとしては最高の60億円。いまや世界を代表するアスリートの1人になりました。

もう数年前の、感情のコントロールができない面はすっかり影をひそめ、いまやテニス界の新女王の貫禄すらあります。

たった数年で、こんなに変わるんですね。

テニスの強さと同様、発信力もけた違いの大坂なおみ選手

大坂なおみ選手の特徴の1つとしてあげられるのは、発信力の強さです。

昨年の全米オープンでは着用したマスクに、黒人差別で命を落とした犠牲者の名前を試合ごとに替えて注目を集めました。

そして今回の全仏オープンにも、大坂なおみ選手のTwitterのコメントが注目されました。

内容は、今回の全仏オープンの記者会見には応じないというものです。
のちに大坂選手は、このコメントの真意を次のように明かしました。

これは、100%、全仏やメディアメンバーに反対するものではありません。
このスタンスは、選手がメンタルヘルスに苦しんでいる時に、会見に強制的に出るよう要求するシステムに反対するものです。私はそれが古風で改革を必要としていると思っています。
この大会の後、私はツアーと運営団体と協力して、システムを変更するために妥協する最善の方法を見つけたいと思います

出典:『東スポWeb』

大坂選手のコメントに対し、全仏オープンの運営側、そして参加する選手たちがさまざまに反応をし波紋が広がっています。

発言内容の善し悪しは別にして、彼女の発信力の強さ、もとより大坂選手の存在の大きさをあらためて知らされる結果となりました。

いまや自分の主張をSNSで発信する時代なんですね。

これまで、法雅はいろんな記者会見を見てきましたが、だいたいの記者はよく勉強をし行儀をわきまえて質問をしていますが、なかには相手の心情をわざとえぐり、そこから漏れ出る本音を得ようとする記者がいることも事実です。

この問題って、お互いの「行儀」の問題ではないかなと思います。
ところで、行儀という言葉、もとは仏教由来の言葉なのです。

生活のなかに生きる仏教用語『行儀』

そこで本日の生活のなかに生きる仏教用語。

今回は『行儀』です。
「行儀」という言葉は仏教からきています。
修行で守るべきこと(戒律)、あるいは修行者の生活作法や儀式方式をあらわす言葉です。

釈尊入滅後、修行者は行儀を守ることが大事だと厳しく定められていました。

現在は「行儀がよい」などと、立ち居ふるまいの作法の意味となっています。

もともと行儀は僧侶の生活や儀式のなかでつかわれてきた言葉で、生活するにあたって守るべき規則のことです。
その規則は僧侶個人として守るべきことや、集団生活で守るべきことなど多岐にわたります。

時代がさがり、僧侶だけがつかってきた行儀が、やがて一般の人々にも使われるようになりました。
同時に「規則」という意味が、「作法」の意味へと変わっていきました。

「記者会見ボイコット問題」か?「選手への不作法問題」か?

今回は、大坂なおみ選手の大会中の記者会見に応じない主張を紹介しました。

仏教用語で「規則」という意味をもつ行儀からいうならば、大会中は主催者が決めた規則に則(のっと)ることが大事です。
大会中はおおぜいの選手やコーチ、関係者が集まっており自分勝手なことをするとその場を乱してしまいます。
だから規則というのが存在するのです。

試合後、勝っても負けてもすぐに記者会見をすることは規則であり、プロである以上、なにか発言すべきです。
ただし、今のご時世を考えると敗戦でメンタルが傷ついて会見できる状態でないなら、制限時間内に自分でコメントを発信するくらいの配慮があってもよいと思います。

また質問をする記者には、現在の「作法」を意味する行儀からいうならば、勝手も負けても試合に全力をだした選手に敬意をもった上で質問をしてほしいですし、それが記者としての作法だと思います。
そして世の中に「この大会に出場できる選手はすごいんだ」と広く伝えてほしいです。

この問題、記者からすれば「記者会見ボイコット問題」でしょうが、選手からすれば「選手への不作法問題」ともいえるのです。

つまり、お互いの行儀の問題だと思います。(合掌)

このサイトは次の企業様と提携しております。

仏教用語行儀アイキャッチ画像
最新情報をチェックしよう!