仏教用語『醍醐味』令和の若者は、古い歌謡曲も飲み物も、その醍醐味をしっている

仏教用語『醍醐味』の意味

『醍醐味』

醍醐(だいご)とは、乳を精製して得られる最も美味なるもの。バターに例える場合もある。
天台宗では仏教の教えを5段階にわけ、その最高位が法華経・涅槃経であり仏教の最高真理と説いた。
法華経・涅槃経をもっとも美味な状態にたとえ醍醐味という。

現在では、深い味わい。ほんとうのおもしろさの意味でつかわれる。

仏教用語『醍醐味』と時事をまじえた法雅のひとりごと

令和の若者を惹きつけた昭和の歌謡曲

「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。

今、世の中では昭和歌謡曲がブームだといいます。
そのせいでしょうか。テレビでは昭和歌謡曲をつかったCMや番組が多く、昭和世代の法雅は驚いています。

たとえば最近のCMをあげればこうです。

  • 携帯会社「UQモバイル」…ピンクレディー『UFO』の替え歌
  • 携帯会社「Y!モバイル」…アニメ『天才バカボン』の替え歌
  • 格安プラン「LINEMO」…ドリフスターズ『いい湯だな』の替え歌
  • デリバリー「出前館」…植木等『スーダラ節』の替え歌
  • 通信販売「ベルーナ」…井上陽水『夢の中で』

また、テレビ番組のなかでも昭和歌謡曲が使われることが多くなっています。
いったい、なにが起こっているのでしょう。

聞けば、最近の若者が昭和歌謡曲を聞くことが増えているとのこと。

それを知って、さらに法雅は驚きです。

はたして昭和歌謡曲のなにが、最近の若者を惹(ひ)きつけるのでしょうか。
いろいろな意見があるなか、3つにまとめてみました。

  1. 平成生まれの今の若者にとって、昭和歌謡曲がかえって新しく感じる
  2. 昭和歌謡曲はAメロ、Bメロ、サビという構成の曲が多く、誰もが共有しやすい
  3. 情景が浮かぶ歌詞が魅力的

最近定着した音楽のサブスクリプションにより、昭和歌謡曲も簡単に見つけて聴くことができる時代背景もありそうです。

法雅は個人的に思います。
1980年前後の歌謡曲は、ある意味「全盛時代」だったのではないかと。
魅力的な曲と歌詞、そして本物のスターがいた時代です。

近年の芸能界はグループがメインになってしまいましたが、あの時(昭和)は舞台にたった1人で立っていても迫力があり花がありました。
まさしくスターのように輝いていました。

この昭和歌謡曲の良さを現代の若者がみとめてくれ、ほかの人にも広めてくれることはとても嬉しく、もっともっと昭和歌謡曲の醍醐味をあじわってほしいと思います。

ちなみに法雅の好きだった歌手は、男性ならジュリー(沢田研二)。女性なら岩崎宏美です。

ところで、醍醐味という言葉、もとは仏教由来の言葉なのです。

生活のなかに生きる仏教用語『醍醐味』

そこで本日の生活のなかに生きる仏教用語。

今回は『醍醐味』です。
「醍醐味」という言葉は仏教からきています。
醍醐(だいご)とは、乳を精製して得られる最も美味なるもの。バターに例える場合もあります。
天台宗では仏教の教えを5段階にわけ、その最高位が法華経・涅槃経であり仏教の最高真理と説きました。

つまり法華経・涅槃経を、もっとも美味な状態にたとえ「醍醐味」といいます。

現在では、深い味わい。ほんとうのおもしろさの意味でつかわれています。

つまり仏教でいう醍醐味は、仏教の最高真理とされる法華経と涅槃経のことです。
天台宗の教えでは、お釈迦様が説いた教えをレベル順に5つに分類しました。

  1. 乳 味(にゅうみ)
  2. 酪 味(らくみ)
  3. 生蘇味(しょうそみ)
  4. 熟蘇味(じゅくそみ)
  5. 醍醐味(だいごみ)

以上が「五味」というものです。
これが現在の醍醐味の語源として広く世の中に伝わりました。

令和の若者は、古い歌謡曲も飲み物も、その醍醐味をしっている

ちなみに、この五味から名前をとった有名な飲み物がありますが、ご存じでしょうか?

カルピスです。

カルピスの公式サイトでは、カルピス命名の由来が載っています。

「カルピス」の“カル”は、牛乳に含まれているカルシウムからとったもの。“ピス”は、サンスクリット語に由来しています。
仏教では乳、酪、生酥、熟酥、醍醐を五味といい、五味の最高位を“サルピルマンダ”(醍醐)、次位を“サルピス”(熟酥=じゅくそ)というため、本来は最高のものとして“カルピル”と言うべきですが、「カルピス」の生みの親の三島海雲は、音楽家の山田耕筰(ヤマダコウサク)氏やサンスクリット語の権威・渡辺海旭(ワタナベカイギョク)氏に相談し、言いやすい「カルピス」と命名しました。
山田耕筰は『母音の組み合わせが、とても開放的かつ堅実性があってよい。発展性が感じられる。きっと繁盛する』と答えてくれたそうです。

出典:『アサヒ飲料公式サイト』

つまり、本当は「カルシウムがはいった醍醐味のジュース」にしたかったのですが、語呂が悪かったため、次の「熟蘇味」から名前をとったのです。

でもカルピスって、名前は熟蘇味ですが、味は醍醐味ですよね。

そんなカルピスは1919年(大正8年)7月7日に誕生し、令和の若者も大好きな飲み物になっています。

令和の若者はすごいです。
歌謡曲も飲み物も、古いものの醍醐味をちゃんと知っているんだから。(合掌)

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