仏教用語『尼』インドネシア(尼国)は、地理的に人類史の要衝といえるのでは

仏教用語『尼』の意味

『尼』

古代インド文字(サンスクリット)アンバーが語源。
出家して仏門に入った女性のこと。
一定の修行をして具足戒をうけると比丘尼(びくに)となる。

現在でも女性のことを尼という場合があるが、軽視したりののしった使い方が多い。

仏教用語『尼』と時事をまじえた法雅のひとりごと

インドネシアで、未知の現生人類の系統を発見

「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。

1週間ほど前のネットの記事ですが、気になるニュースを読みました。

「インドネシアで、未知の現生人類の系統を発見」というニュースです。

内容は以下の通りです。

7000年以上前にインドネシアのスラウェシ島で死んだ狩猟採集民の10代女性のDNAを分析したところ、これまで世界のどこからも見つかっていない現生人類の系統に属していることが分かった。

25日刊行の科学誌ネイチャーに、当該の研究論文が掲載された。

出典:『CNN』https://www.cnn.co.jp/fringe/35175771.html

研究成果の内容を要約しました

少し内容が難しいので、研究成果の要約をします。

  • 今回、若い女性の化石が発見されたインドネシアの島々が連なる「ウォーレシア」は、もともと化石が少なく、しかも熱帯気候のためDNA解析に不向きであり、人類が集団で生活していたかは謎だった。
  • これまでの研究では、人類がウォーレシアを通ってオーストラリア大陸に移動したのは少なくとも5万年前とされる。(オーストラリア先住民等の祖先)
  • ウォーレシアにおける人類の存在は、少なくとも4万7千年前のものとされるスラウェシの洞窟壁画で証明されていたが、化石による解析がなかったため集団生活していたかは謎だった。
  • 今回発見された若い女性の化石は、インドネシアの南スラウェシの鍾乳洞で発見され、約7200年前の埋葬複合体に埋葬されていた。(集団で定住していた可能性があることが判明)
  • DNA解析の結果、女性は5万年前にウォーレシアにやってきた現生人類の子孫だと判明。同時に、アジア由来の別の系統の祖先がいることもわかった。アジア系の人類が最初にウォーレシアに定住したのは3500年前とされており、それよりも約3000年前に未知の現生人類の集団がいた可能性があるという。

このように、世界でもまだ知見の少ないインドネシア地域の初期現生人類について、遺伝子上の多様性と人類の集団史を探る新たな手掛かりになるかもしれません。

きっとインドネシアも、太古から色んな種類の人類が行き来してたんでしょうねぇ。

ところで、このインドネシア。漢字で略すと何というかご存じですか?

尼です。

ご存じアメリカは「米国」、イギリスは「英国」というように、インドネシアは「尼国」といいます。

理由はインドネシアを漢字で書くと「印度尼西亜」となり、「印」ではインドと同じですので、「尼」の字をとってインドネシアをあらわすようになりました。

そして、この尼という言葉、もとは仏教由来の言葉なのです。

生活のなかに生きる仏教用語『尼』

そこで本日の生活のなかに生きる仏教用語。

今回は『尼』です。
「尼」という言葉は仏教からきています。
古代インド文字(サンスクリット)アンバーが語源。
出家して仏門に入った女性のことです。
一定の修行をして具足戒をうけると比丘尼(びくに)となります。

現在でも女性のことを尼という場合があるが、軽視したりののしった使い方が多いです。

尼の歴史は古く、お釈迦様の時代からとされています。

お釈迦様は当初、女性の出家を認めていませんでしたが、養母の摩訶波闍波提(まかはじゃはだい)ら500人の釈迦族の熱意によって、規律を守ることを条件に出家を許したのが最初です。

現在でも各宗派の判断によって尼僧がいます。

インドネシア(尼国)は、地理的に人類史の要衝といえるのでは

アフリカで誕生した人類は、世界中広く拡散していきました。

そのなかでインドネシアは、アジアに到達した人類が海を越えてオーストラリア大陸にたどり着く要衝(大事な場所)だったに違いありません。

また大航海時代にも、ヨーロッパからきた交易船がアフリカ、インドを経由し、中国、日本といった東アジアに到達する最後の要衝、それがインドネシアです。

まさに尼国・インドネシアは、地理的に人類史の要衝といえるのではないでしょうか。(合掌)

仏教用語尼アイキャッチ画像
最新情報をチェックしよう!