ベテランご夫婦の、蕎麦への愛情と情熱が伝わるお店
一期一会の御縁に感謝。法雅(ほうが)です。
北海道・道南に住み始めて6年目のアラフィフ住職が、函館のランチのお店を紹介するシリーズ企画『函館deランチ』。
今回は函館市で有名なそば屋『蕎麦蔵(そばくら)』を紹介します。
以前、同じ函館市のそば屋『蕎麦彩彩 久留葉』に訪問したきり、そばを食べていませんでした。
夏の暑さがジリジリと感じる季節、そろそろ美味しいおそばを食べたくなり、以前から気になっていた『蕎麦蔵』に訪問することにしました。
会津産そば粉を使った十割そばが楽しめるこのお店はミシュランガイドにも掲載されたこともあり、どんなお店か期待がふくらみます。
蕎麦蔵へ初訪問
さて、初訪問のお店はいつもワクワクします。
どんなお店だろうか。どんな店内の雰囲気だろうか。そしてなにより、どんな料理がでてくるのだろうか。
ナビに位置情報をいれて期待をふくらませながら、お店に向かいます。
車を走らせお店に近づくと、船の建造をする『函館どつく(ドック)』のすぐ近くにお店があることが分かります。
坂をのぼると見えてくる『大正湯』のピンクの建物の向かい、そこが今回訪問する『蕎麦蔵(そばくら)』です。
車できた法雅はいきなり「おや?」となります。
駐車場が見当たらないのです。
でもよく見ると、『車の前駐車OK』の立て看板が見えます。
ここに駐めても大丈夫かな。でもお店に迷惑かけれないと思ったので、お店のなかに入って聞くことにしました。
大きなのれんをくぐり、扉を開けると、おそば屋というより少し値段がはる和食のお店にきたような感じの玄関です。
そこにおしゃれな年輩のご夫婦の姿がみえました。
どうやら、このご夫婦がお店のオーナーのようです。
元気の良いご主人のほうに駐車の仕方をたずね、路上でも大丈夫とのことでしたので、あらためて3人で入店しました。
まずご主人から手指消毒をすすめられたので、玄関で消毒をすませ、ご主人の案内で和室の部屋に通され席につきました。
どうやら、ここのお店はご主人が接客をしているようです。
奥様は厨房で、数人の女性スタッフとともに料理をつくるという夫婦分業でお店を運営しています。
蕎麦蔵の店内とメニュー
蕎麦蔵の店内
案内された15畳の和室の部屋には、4人ほどが座れる黒塗りの座卓が4脚あり、とても落ち着いた上質な和室です。
あと玄関右手の蔵には、4人掛けの椅子席が2脚あり、こちらは大きな屏風が特徴的な部屋です。
耳に心地よく流れるラジオの音以外、客の話し声くらいしか聞こえない静かな店内で、ときおり時報をつげる柱時計の音がボーン、ボーンと鳴ります。
客層はみな落ち着いた年代の地元客でした。
蕎麦蔵の感染対策
ご主人は接客の合間に、新型コロナウイルスの感染対策にも注意をはらいます。
使ったテーブルには除菌スプレーをかけてふき取ることはもちろん、客には小さな紙をくばり、代表者の名前と連絡先を記入するようにお願いし、さらには客1人ひとりにお店特製のマスクケース(上の写真)を渡していました。
ここまで徹底した感染対策をしているお店はなかなか見当たりません。
ただでさえ接客で忙しいのに、今は感染対策までしなくてはならず、お店の負担は相当なものだと感じました。
蕎麦蔵のランチメニュー
蕎麦蔵はお昼のみの営業で、しかも蕎麦がなくなった時点で店を閉めるのでランチ限定のメニューはありません。
蕎麦蔵のメニューはざる(900円)や鴨せいろ(1,600円)といった10種類ほどの蕎麦がラインナップしています。
これらの蕎麦を以下の3種類の食べ方から選びます。
- つけ汁…蕎麦はざるにのり、つけダレにつけて食べる。
- 温かい蕎麦…温かい蕎麦と汁がどんぶりに入っている。
- 冷や汁…冷たい蕎麦と汁がどんぶりに入っている。
分からないことはご主人が丁寧に教えてくれるので安心です。
それと甘味につきたて餅(500円)があるのが蕎麦蔵の特徴です。
福島県会津地方では、「餅蕎麦ごっつぉ(餅と蕎麦のご馳走)」という言葉があるくらい、お餅と蕎麦をふるまうことが最高のおもてなしだと古くから伝えられています。
祝い事に欠かせない蕎麦と餅、蕎麦蔵のお客に対するおもてなしを意味するラインナップです。
法雅たち3人はメニュー表を見ながら、なにを食べようか相談しました。
そこで3人で、つけ汁、温かい蕎麦、冷や汁の3種類を注文することにしました。
法雅は鴨せいろ(1,600円)〈つけ汁。つけ汁は温かい〉
他の2人は、みぞれ蕎麦(1,300円)〈冷や汁〉。
海老天南蛮(1,400円)〈温かい蕎麦〉を注文。
さらに今月のメニューのなかから、大阪泉州水茄子の揚げ煮(420円)と七飯産クレソンとささ身の梅肉和(420円)を注文しました。
お餅にこんな大事な意味があることを後日知り、今回は注文しませんでした。
すいません。
注文後、ご主人の許可をえて建物内の写真を撮りながらすごしていると、10分ほどで今月のメニューの料理が来ました。
蕎麦蔵の料理をいただきます
大阪泉州水茄子の揚げ煮(420円)
茄子が見えないくらい大根と大葉がのっています。そして下には茄子の揚げ煮。とてもやわらかく煮込んであり、薄めのお出しがしっかり染みこんでいました。
七飯産クレソンとささ身の梅肉和(420円)
夏にちょうどよいサッパリした感じですが、ちょっとだけ味が濃く感じました。
鴨せいろ(1,600円)〈つけ汁〉
さて、本命の蕎麦が登場です。ミシュランでは蕎麦蔵の蕎麦について次のように紹介しています。
女性店主が打つのは、会津地粉の十割蕎麦。喉越しが良く、コシのある麺だ。
参照『ミシュラン北海道特別版』
ふつう十割蕎麦というと、つなぎを使っていないためにザラザラした感じがしますが、蕎麦蔵の十割蕎麦は、細くみずみずしい蕎麦だと感じました。
つけ汁は正直好みが分かれると思います。
とても甘いつけ汁ですので、甘いのが苦手な方もいることでしょう。
太ネギと鴨肉、とてもおいしく、もう少し蕎麦を食べたいと思いました。
みぞれ蕎麦(1,300円)〈冷や汁〉
みぞれ蕎麦は、少し薄味のお上品な味です。
冷や汁はしっかり冷えてますので、そのため蕎麦にもよりコシがでておいしくいただけます。
お餅はサクッと揚げてあり何個でもいけそうです。
とくに暑い夏にはびったりなお蕎麦です。
海老天南蛮(1,400円)〈温かい蕎麦〉
こちらは写真のみの紹介とさせていただきます。
そば湯
そば湯用の陶器の器を用意してくれます。
トロッとしたそば湯は、蕎麦の香りを楽しみつつ味わいます。
蕎麦蔵を営むベテランご夫婦の、蕎麦への愛情と情熱が伝わるお店
お会計しながらご主人とお話ししました。
最初に気になっていたのは、何年前からお店を始めたかです。
するとご主人「21年前から始めました。その当時から、この建物です」と答えてくれました。
法雅は驚きました。
建物がとてもきれいで新築に見えるのに、もう20年以上経っていたからです。
するとご主人は、1度内装工事した話しをしてくれました。
とてもきれいな店内は、ご夫婦がお店に愛情をかけてきた結果だと思いました。
もう一つ、誰が蕎麦を打っているのか質問しました。
するとご主人「それは、かあちゃんです。料理はかあちゃんが作って、ぼくはしゃべるだけです」と笑って答えてくれました。
いえいえ。ご主人の働きぶりもしっかり拝見させていただきました。
このお店、法雅はとても気に入りました。
ベテランご夫婦の蕎麦への愛情と情熱が伝わるお店だからです。
今はコロナ禍の関係で1日25食限定です。(通常は1日30食です)
せっかく食べにきたのにお店が閉まっていたということがないよう、今度は予約の電話をいれてから訪問します。
今回もたいへん美味しくいただきました。
蕎麦蔵(函館市弥生町/蕎麦)基本情報
住所:北海道函館市弥生町23-5
電話:0138-22-8505(25食限定ですので予約をお願いします)
営業時間:昼11:30-
※売り切れ次第閉店
定休日:水曜・木曜
駐車場:なし
お店のホームページ:https://h846200.gorp.jp/
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