仏教用語『作業』の意味
『作業』(さぎょう)
もとは「さごう」と言った。
念仏を唱える宗派の教えで、極楽浄土をめざす行者のすがたや方法を作業といった。
のちに行為やおこないに意味が変わったのは室町期ころといわれている。
仏教用語『作業』と時事をまじえた法雅のひとりごと
事業費の45%はなにに使っているの?
「一期一会の御縁に感謝」僧侶歴30年の現役和尚・法雅(ほうが)です。
最近の国会で注目を集めているのは、中小企業などを支援する持続化給付金事業で支給事務の不透明な実態があきらかになったことです。
そもそも新型コロナウイルス感染拡大の影響で収益が落ちた中小企業にたいして一定の金額を支給する事業。
この支給事務を政府は一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」に769億円で委託させました。
ところがこの推進協議会は749億円で広告代理店の電通に再委託、電通はグループ会社5社を経由させ、最終的に人材派遣会社のパソナや大日本印刷などに外注。
その金額は417億円でした。
ということは769億円の事業が最終的に417億円で請け負っていることになり、事業費の45%にあたる352億円はなにに消えてしまっているのか謎です。
今までも「孫請け」とう言葉は聞いたことがありますが、今回は「再々々々委託」といわれ孫請けをはるかに越えた「やしゃご請け」とも言われています。
おそらく長年こういうことが慣例化されてきたんだと思いますが、普通の感覚からすれば1つの作業をするのに次々とたらい回しにされたとしたらたまったものではありません。
生活のなかに生きる仏教用語『作業』
そこで本日の生活のなかに生きる仏教のことば。
今回は『作業』です。
「作業」という言葉は仏教からきています。
もとは「さごう」といいました。
念仏を唱える宗派の教えで、極楽浄土をめざす行者のすがたや方法を作業(さごう)といいました。
のちに行為やおこないに意味が変わったのは室町期ころといわれています。
作業という言葉の本来の意味から考えてみても、作業には正しい目的がなければ本当の作業とはいえません。
たとえば掃除という作業には、ただきれいにするのが目的ではなく、自分の身のまわりをきれいにして心身ともに健康にするのが目的です。
作業は、正しい目的をもっておこなうもの
では今回の持続化給付金の目的はなんでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大により収益がおちた中小企業に給付金をわたして経営を持続させることが、ひいては日本経済のためになるからではないでしょうか。
それなのに支給事務費の約半分が実際の事務費として使われることなく消えていったとしたらその作業は不健全。
果たしてそれが日本経済のためになるのでしょうか。
国会がゴタゴタしている最中、給付が遅れて倒産したとすればまさに人災です。
コロナ禍は非常事態です。
今までの慣例を取りはらってスピード第一。
それが世の中を助ける道だと思います。