6話 大スランプと高校受験。の巻

上の子供が中学2年生の夏から1年間。大きなスランプに陥りました。

きっかけは志望校の学校見学です。
教頭先生が私たちだけのために学校説明会を開いてくださいました。

説明会の最後のほうで質問コーナーがありました。
法雅は教頭先生に中学1年時の通信票を見せて「現在これくらいの学力ですが、学校に入学できる見込みはあるでしょうか」と質問しました。

すると教頭先生は通信票をパッと見て「あー。これくらいなら充分大丈夫ですよ」と答えました。

法雅としては今までの努力は無駄ではなかった。
この調子でひきつづき頑張れば充分入学はできると思いました。

しかし、とらえ方は人それぞれです。

上の子供からすれば、今まで毎日つきっきりで勉強させられて努力してきた。
その結果、志望校に充分入学できそうだ。「これくらいで自分は大丈夫なんだ」というとらえ方をしてしまいました。

この意識の変化はこのあと1年間も引きずることになります。

学校見学から帰ってからはまったく勉強に実が入らなくなりました。
見学前と見学後はまるで別人のようです。

法雅がいくら説教をしても勉強への気概がわきません。
それは、すぐに試験の結果にあらわれました。
学年順位も下がりはじめ全体の「中の中」あたりまで下がりました。

スランプに陥ったまま上の子供は中学3年生になりました。
小さい部活の部長になりました。

中学3年にもなれば中学校からも進路の意識調査が本格化してきます。

このままでは見学に行った工業高校は難しい状況です。
やむを得ず少し偏差値を下げて隣町の工業高校を志望校としました。

夏休みに入ると高校の1日体験入学が始まります。
法雅と上の子供と2人で隣町の工業高校へ行きました。
子供の学力であれば充分入学できる学校です。

学校を見学しながら法雅は「本当は見学にいった高校のほうが良いのはわかっているけど、ここもけっして悪くはないな」と思いました。

体験入学が終わり法雅は車内で待っていました。
そして子供が車に乗りこんだ瞬間「こんな学校は行きたくない!やっぱり見学にいった学校にいきたい」と。

「えー!じゃあ、今日の1日体験入学はなんだったの」と冗談交じりに言いましたが、やっとやる気スイッチが入ったことがとてもうれしい出来事でした。

中学3年生の夏休みは勉強に熱が入り、とても充実しました。
しかし1年間のスランプは大きな穴です。
穴を埋めきるのは厳しいと思いました。

法雅はここからの形勢逆転をねらって受験の戦略を練りました。
志望校の入試要項を何度も読みなおし検討を重ね、決めました。

学力選抜(テスト)では当日のテストの内容によって結果がどうなるかわかりません。
もはやテストでの正面突破は難しいと考え、推薦入試1本で進めることにしました。

推薦入試となると、五段階評定のみならず学校生活や英検・数検とかも関係してきます。

入試要項の出願資格に該当しない部分を埋め合わせるように推薦入試への準備をしてきました。

その結果、中学校からはこころよく推薦書を出していただき、残る志望校の面接を待つのみとなりました。
法雅と上の子供と2人で2泊3日の面接に行ってきました。

そして合格発表の日。
緊張しながら午前9時を待ちました。
時間になりホームページで受験番号を探すと…

ありました

長い戦いでした。うれしさのあまり大声を上げて喜びました。

今ふり返ってみますと、上の子供との勉強と受験は、希望通りの結果となりよかったです。

何よりも、親として精いっぱい勉強と受験を向き合った時間と経験が自分としては「宝物のような思い出」になりました。

さて、上の子供の進路が決まり、親としての努めは経済的な支援をどうやってしていくかになります。
この話しは後日にします。

(7話 奇妙な生活につづく)

法雅の浮き沈みアイキャッチ画像
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