日本酒応援団株式会社(古原忠直社長)。日本酒業界『変革』へ挑戦

お疲れ様です。法雅です。

今回は、法雅が利用した日本酒定期便サービス『saketaku(サケタク)』を運営している日本酒応援団株式会社(以下、本文では日本酒応援団)にスポットを当てたいと思います。

日本酒応援団がどんな経緯で設立されて、どこへ向かおうとしているのか。

日本酒を愛する法雅はとても気になります。

調べてみますと、日本酒応援団ならではの斬新な取り組みが見えてきました。

結論からいいますと、日本酒応援団は日本酒を愛する人たちがあつまった会社であり、日本酒を世界に広めることで日本酒業界を『変革』させようと挑戦しています。

記事では、日本酒業界の現状から、日本酒応援団の設立。そして日本酒応援団の活動などを書きます。
それでは、さっそく始めていきます。

日本酒業界の縮小と日本酒応援団の立ち上げ

日本酒をのむ女性の写真

縮小がつづく日本酒業界。そのわけ

近年、日本酒業界の縮小がつづいていると言われます。その原因は、日本人の日本酒離れです。

グラフでみる日本酒業界の縮小傾向

日本酒販売数量グラフ
国税庁の報告書を参照

1975年(昭和50年)には約170万㎘あった日本酒の国内販売量が、2018年(平成30年)には約50万㎘と、3分の1以下にまで減少しています。
日本人が日本酒を飲まなくなったことで、販売量が低下しているのです。

日本酒の販売量の縮小は、国内の酒造メーカーの縮小にもつながります。

日本酒メーカー数の推移
国税庁の報告書を参照

1989年(平成元年)には2,327社あったメーカーが、2017年(平成29年)には1,371社と、およそ30年で40%減少しています。
現存しているメーカーのなかには、ほぼ廃蔵にひとしい会社もあることから、日本酒業界全体が深刻な縮小傾向がつづいていることがわかります。

日本酒離れの原因を2つの資料からひもとく

国税庁の『酒類販売数量の推移』の表を見ると興味深いことがわかります。

1970年(昭和45年)から50年間の酒類全般の推移をみると、酒類全体の販売数は50年で約2倍と、けっしてお酒が飲まれなくなったのではないことが分かります。
それ以外のポイントをまとめました。

  • ビールは平成初期にピークにきたが現状維持
  • ウイスキーは増減があるが現状維持
  • 焼酎類は50年で4倍に成長
  • リキュールと果実酒、スピリッツは大躍進
  • 悔しいですが、日本酒だけ1人負け

法雅の家の冷蔵庫にも缶チューハイがたくさん入っています。

この結果から以下のことがいえます。

  1. 50年間で生活様式がかわり、女性の飲酒量が増えた結果、全体の販売量がのびた
  2. 50年前は日本酒もしくはビールだったが、現在はお酒の種類が増えた
  3. 焼酎ブームや健康志向の高まりもあり、日本酒としては苦境

こういうことが国税庁の表からわかります。

また2017年5月に『日本酒造組合中央会』が公表した「日本人の飲酒動向調査」によると、日本酒に対して「伝統的」「通向け・本格的」というイメージが強いことが分かりました。

また同調査では、日本酒を飲むタイミングは「食中」と答えた人が約70%おり、これは30年前の前回調査では約20%でしたので「日本酒の晩酌化」がはっきりあらわれたことになります。

ちなみに前回調査では、約70%の人が日本酒は「食前」に飲むと答え、食事と飲酒は「別もの」と考えられていました。
(参照:日本酒造組合中央会による調査)

日本酒離れの原因を3つにまとめました

この2つの資料から、日本酒離れの原因として考えられることを3つにまとめました。

  1. 日本酒に対するイメージが「伝統的・通向け・本格的」、言いかえれば日常生活で気軽に飲めるお酒というより、特別なときに飲むものとしてイメージされていること。
  2. 生活様式の変化や、健康志向の高まりもあり、日本酒をのむ機会が食事をしながら嗜(たしな)む程度となり、日本酒の消費量が増えないこと。
  3. 現在はお酒の種類が増え、とくに女性は飲みやすいお酒を選ぶ傾向が強いこと。

ほかにも理由はあると思いますが、飲む側の原因として考えられることを書きました。

日本酒業界『変革』への挑戦。日本酒応援団の設立

少し長くなりましたが、日本酒離れの原因について書きました。
これら縮小傾向がつづく日本酒業界を変革すべく2015年(平成27年)7月、9人の若者によって日本酒応援団株式会社が設立されました。

「日本酒を応援する会社」というストレートな会社名ですが、いったいどういう会社なんでしょうか。

本社は東京都目黒区下目黒に住所をおく会社で、島根県雲南市にも事業所があります。

会社概要をみると、事業内容は日本酒の製造支援・マーケティング・ブランディング・販売とあり、ふつうの日本酒メーカーのように感じます。

しかし日本酒応援団を知りたいならば、創設者であり社長でもある古原忠直氏をよく知る必要があります。

日本酒応援団社長・古原忠直氏はどんな人物か。

古原社長の写真
右から2番目が古原社長(参照tripeditorより)

古原忠直(こはらただなお)社長とは、どんな人物なのか

(古原社長の略歴)

1977年東京都で出生
2000年東京大学卒業後、三菱商事入社
2003年東京海上キャピタル入社
2006年米スタンフォード大学経営大学院入学
2008年MBA(経営学修士)取得
2015年日本酒応援団を設立、社長就任

とてつもないエリートだ。

商社とベンチャーキャピタル時代に11年間、日本、米国などで投資・事業開発をおこなってきた古原社長。
つまりベンチャー企業の設立をサポートする仕事をしていました。

そんな古原社長が起業するにいたったわけは「無類の日本酒好き」だったからです。

古原忠直社長は「無類の日本酒好き」

起業する前、プライベートでよく各地の日本酒を飲み歩いていたころ、友人の実家の酒屋が生産減少に悩んでいたことを知りました。
その酒屋とは、竹下登元首相の生家として知られる竹下本店です。

古原氏はボランティアで、SNSをつかって酒造りへの参加を呼びかけました。
すると全国から日本酒好きが集まりました。

泊まり込みで作業して生原酒3,000本を生産、みごと完売させました。
こういう経験が起業へのおおきな後押しとなりました。

普通の日本酒好きは、ただお酒を飲むことですが、古原社長の日本酒好きのレベルは、日本酒作りから始めてしまうという次元の違うもの。
まさに「無類の日本酒好き」と言っていいでしょう。

しかも、その行動力には脱帽します。

「日本酒のあるライフスタイルを、世界中に。」

日本酒の写真

「無類の日本酒好き」古原忠直社長が立ち上げた日本酒応援団。
企業コンセプトは「日本酒のあるライフスタイルを、世界中に。」です。

世界中の食卓に日本酒を届けたいという決意がくみとれますが、実際どういう活動をしているのでしょうか。

日本酒応援団の事業活動は、
「極上の日本酒をつくる」
「極上の日本酒をとどける」
の2本柱です。

極上の日本酒をつくる

日本酒が並ぶ様子

現在、1県につき1蔵の酒造メーカーと提携をむすび、そのうち6つの県(石川、島根、新潟、岡山、大分、埼玉)の酒造メーカーと日本酒応援団ブランドの日本酒を造っています。

それは企画段階からどういう日本酒にするのかメーカーと話し合い、地元の米、地元の水にこだわった純地元産の日本酒を生み出しています。
しかも、作業も地元メーカーにまかせるのではなく、酒米の田植えから稲刈り、仕込み製造、販売まですべて社員が泊まり込みでおこなう徹底ぶりです。

日本酒応援団ブランドの日本酒はいずれも、

  • 醸造アルコールを使用しない「純米」
  • 炭素濾過(ろか)をしない「無濾過」
  • 火入れ殺菌をしない「生酒」
  • アルコール度数調整の加水を行わない「原酒」

「量より質」を最優先にした極上の日本酒をつくっています。

極上の日本酒をとどける

日本酒応援団酒を鑑定するようす

日本酒をただ造るだけでは、客の声が届かなくなります。
ですので日本酒応援団では、各県の提携している酒造メーカーの日本酒と、日本酒応援団ブランドの日本酒を積極的にとどけて、飲んでくれる客とのコミュニケーションを図っています。

とくに力を入れているのが日本酒定期便サービスのsaketaku(サケタク)です。
毎月、日本各地に秘められた技術力の高いメーカーの希少な日本酒をとどけています。

また、企業とのコラボレーションや、海外への販売も積極的にすすめています。

「極上の日本酒をつくる」「極上の日本酒をとどける」ことを事業の柱としている日本酒応援団。
この事業をもっと成長させた未来に「日本酒のあるライフスタイルを、世界中に。」の実現があるはずです。

まとめ 日本酒応援団は日本酒を愛する人たちがあつまった会社

日本酒応援団作業の様子写真

今回は、日本酒応援団はどんな会社なのかというテーマで書いてきました。

そのなかで日本酒応援団が、縮小する日本酒業界の変革を志して設立され、世界の食卓に日本酒を届けようとしていることが分かりました。

でも、まだその挑戦ははじまったばかり。
日本酒応援団の活動に賛同する消費者と酒造メーカーが増えることこそが、その挑戦を成功させる鍵だと思います。

日本酒応援団はどんな会社か。

一言でいえば、日本酒を愛する人たちがあつまった会社であり、日本酒を世界に広めることで日本酒業界を『変革』させようと挑戦している会社です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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